今だ全世界で猛威をふるうコロナウイルスですが、ベトナムから世界に先駆けて「吉報」が届いています。
新たなコロナウイルスの感染者「ゼロ」が続くベトナムで、23日から一部の食堂や商店などが営業を再開しました。
また、一部の地域を除いて外出禁止も緩和される見込みです。
ベトナムでは4月23日現在、コロナウイルスの感染者は268人(死亡者ゼロ)17日以降、連続6日間で新たな感染者が確認されていない状況です。
まだまだコロナとの苦しい戦いが続く国が多い中、なぜベトナムだけがいち早くウイルスの沈静化に成功することができたのでしょうか?
今回の記事では、ベトナムが世界に先駆けてコロナウイルス封じ込めに成功した理由と、その謎を解説していきたいと思います。
【ベトナム】コロナに対する危機意識の高さ
ベトナムのコロナウイルス封じ込め成功の土壌として、国民のコロナに対する危機意識の強さがあります。
イギリス、ロンドンに本社をおく国際的な調査機関であるYouGoveの、コロナウイルスに対する各国の調査結果を見ていきたいと思います。
まずは、コロナウイルスの「感染を恐れている」と回答したベトナム人と日本人の%について見ていきましょう。
実際のYouGoveのデータは以下の通りです。
(参照 : YouGove)
表の右上を見てください。
1番高いのはベトナムの89%、ついで黒い丸で囲っている「Japan」=日本が87%で2番目という位置です。
この調査結果から、ベトナムはコロナウイルスに対する危機意識が「世界で1番高い国」と言うことが出来ます。
次に、「政府のコロナ対策への支持率」についての調査結果です。
(参照 : YouGove)
1番はベトナムの95% 日本は39%で下から2番目です。
それにしても、ベトナムの支持率95%ってなかなか驚異的ですよね!
ベトナムの政府のコロナ対策に対する支持率の高さと、日本の政府に対する支持率の低さがとても印象的です。
ちなみに、最下位はフランスとスペインの38%でした。
これらの調査の結果、
ベトナム人はコロナに対して相当な危機感を持っており、
さらに、多くの人々が政府のコロナ政策を支持し、国民が一丸となってコロナ封じ込めに努力したと言うことが出来ると思います。
<ネットのみなさんの声↓>
素直に羨ましいですね。未知のリスクとの遭遇では初期に過剰に対応するくらいがよい。たとえ肩すかしかもしれなくても。これからもどんな脅威がくるかもしれないけど、この教訓を生かせる社会であってほしい。
無能で忖度だけの日本政府よりベトナム政府の方が全然マシな仕事をしてると思う。
それと日本国民よりベトナム国民の方がよっぽど新型コロナに対するしっかりとした危機感と認識をもって行動しているとも思う。
【ベトナム】政府主導のコロナ封鎖対策
(参照 : 日本経済新聞)
上記の表を見てわかる通り、ベトナムのコロナ対策における初動の速さが目立ちます。
4月1日から15日まで、「社会隔離」と名付けた期間で、これは日本の「緊急事態宣言」と似ています。
この措置が「禁止命令ではなく要請」であるのも日本のそれと似ているのですが、
国民の意識の違いや政府に対するコロナ政策の支持率の違いが出たのか、「社会隔離」の実行率では日本はベトナムの足元にも及びません。


写真左 :「社会隔離」で人気のないベトナムの市内
写真右 :「緊急事態宣言」の後でも人でごった返す江ノ島
隔離政策の徹底
ベトナムでは、一旦コロナの陽性反応が出ると、徹底した隔離政策をとって封じ込めにかかります。
✅ 軍の施設や大学の寮などに海外からの帰国者を収容する
✅ 感染者との濃厚接触者・接触者を対象に自宅で隔離
✅ マンションで感染者が出れば建物全体が隔離の対象に
日本では、ここまで徹底した政策は打ち出せないでしょうね。
こういった有事の際には、指揮系統がはっきりして政策が打ち出しやすい「社会主義」の国の方が、何かとやり易いのか?とも思ってしまいます。
事実、こんなニュースも目にしました。
ベトナムが感染者、濃厚接触者の徹底した隔離や感染者らの居場所を公開するスマートフォンのアプリによって、被害の拡大を食い止めている。コロナ対策に自信を深めるベトナム政府は、欧米や東南アジア諸国へのマスクなどの提供にも乗り出し、地域での存在感を高めようとしている。欧米ではプライバシーの侵害と指摘されかねない対策だが、社会主義のベトナムでは受け入れられているようだ。(参照 : 毎日新聞)
確かに、スマホで感染者の居場所を公開となると、社会主義の国じゃないとなかなか出来ない芸当ですね。
ベトナムのこういった社会的な背景もあいまって、隔離政策の徹底=コロナウイルスの封じ込めに成功しているようです。
<ネットのみなさんの声↓>
ベトナムが新規感染者1週間0達成で、4/1から続いてた外出禁止を解除。いまだ死者数0。すごい。なんで?って思って調べてみた。SARSの教訓を生かし、初期行動が適切だった。外国人の入国制限を始めるのも早かった。https://t.co/36bKBodS7v
— かんちくいずみ (@kanchiku) April 24, 2020
ベトナムって贔屓目なしに評価して欲しい国だなと思っていて。
今回もマスク5万枚をベトナム政府から日本へ寄贈してもらったし、そもそもベトナムはコロナの死者数が0だったりと検討しており、今は新規感染者も0人で自粛要請も緩和する予定です。
村田はベトナム人に感謝しております。カモン! pic.twitter.com/i0i7hMkhZn
— ムラケン@コロナ対策中 (@murakenken0927) April 21, 2020
ベトナムの対策は素晴らしいですね。
息子は3月下旬からベトナムのインターンシップに行く予定でしたが、2月中旬にビンディン外務局から「コロナ感染拡大防止の為、受け入れ中止」の連絡が学校経由で入りました。インターンシップのキャンセル料も発生しませんでした。
対応力や決断力の素早さはウィルスを封じ込める為には、必要不可欠ですね。日本がこのような事態になってしまった以上、他国の素晴らしい所を速やかに取り入れて、やれることは何でもやってほしいです。待った無しの状況ですから。
ベトナムは交通機関を完全に止め、市民には外出禁止、街には市当局の関係者や警察官が立って
外出している人には尋問をする、など徹底的に封鎖していた。短期決戦の結果が出たんだと思う。
【ベトナム】平均年齢の低さ
新型コロナウイルスについては、糖尿病や心不全などの「基礎疾患」を持っている人や「高齢者」がより重症化しやすいと言われています。
今回、ベトナムでコロナウイルスがそこまで拡大しなかった要因として、ベトナムの「若さ」つまり、「高齢者人口の少なさ」に原因があるのでは?と考えられています。
下の2つの表を見てみてください。

(参照 : 世界経済新聞) (参照 : Blue Print co.ltd)
*2020年、ベトナムの平均年齢は32.49歳です。
(表左)確かに先進国と比べた場合、ベトナムの「若さ」が目立ちます。
(表右)ただ、他の東南アジア諸国と比べるとベトナムは「年齢が高い」部類に入ります。
こうして見てみると、確かに先進国と呼ばれる国と比べると、ベトナムの32.49歳は若い部類に入ります。
そしてなんと、平均年齢で48歳を超える日本の「高齢大国」っぷりがすごいすね!
堂々の世界一じゃないですか!
現時点では、
ベトナムの平均年齢の低さは、コロナ拡大の抑止にある程度は貢献したであろうが、
直接的に関係があるか?と言われると、はっきりとは言えないというところです。
ただ、高齢者人口の多いイタリアなどでは、やはりそれが原因でコロナによる死亡者が爆発的に増えたという報道もあります。
ベトナムのコロナ収束の速さと平均年齢の因果関係については、また新しい情報が入り次第、記事をアップデートしていきたいと思います。
ベトナム・新規のコロナ感染者ゼロで営業再開【まとめ】
以上、【簡単解説】なぜベトナムは新規のコロナ感染者ゼロで営業再開できた!?でした。
それでは、今回の記事をおさらいしてみたいと思います。
ベトナムのコロナ対策が成功した背景は以下の通り
✅ コロナに対する危機意識の高さ
✅ 初動の速さ・迅速な対策
✅ 徹底的な封じ込め作戦
*平均年齢の低さも要因か?
ベトナム、そしてベトナムと並んでコロナ封じ込めに成功している台湾では、コロナにおける初動の速さに目を見張るものがあります。
両国の共通点は、2003年のSARSの流行において、多くの医療従事者を失った苦い経験があるということです。
その際の教訓を、今回のコロナウイルス封じ込めにしっかり生かしているということでしょう。
まだ「コロナ完全制圧」と言うにはちょっと早いですが、現時点でのベトナムの対コロナにおける封じ込め成功に、我々日本人も学ぶところは多いのではないでしょうか?
以上、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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